琵琶湖疏水べりを歩いていると遠目からも見える2階の欄干からつるされたひときわ目立つ生成りの大きな布。真ん中にはシンプルなロゴとマークが・・KIKKAKEKKOと書かれています。疏水に面した1階のガラス戸の開口部を通して「空中に浮かぶかのようなペンダントライトの和やかないくつもの光」が人を呼び込みます。ここの2階から見下ろす疏水の景観も見ものです
–ここに疏水があった、そこに「おばあちゃんとこ」みたいな古民家があった–
最近までおばあさんが住んでいて、引っ越されて空いた築70年の3部屋(1階)2部屋(2階)の古民家。疏水の傍という立地と、木と土感が魅力的で、住まいだったが「店にしてもいい」との事で、その日に決めて 契約、セルフリノベーションをしました。「おばあちゃんとこみたい」というのは、今の時代の「非日常」。思い出に触れるテンション上がるなつかしさがあり、古くさい和テイストだからこそ、いま得難い空間です。改装は、押し入れを展示棚などにしたが、基本元々の間取りや天井などは変えずに長く暮らされてきた息遣いが残る佇まいになっています。
足の悪い私ですが 2階へ上がる階段の壁に少し斜めに不揃いに埋め込まれた細長い板がふしぎ。その板に少し手を当てて上るととても上りやすい「リノベーション時に意識してデザインを?」と言うと、もともと住んでいたおばあちゃんが自分でつけたものだと聞いて感動!よそいきではない普段の暮しの積み重ねが持つチカラ。これこそまさに「用の美」かなと思いました。
景観を意識して、ペンダントライトから始まる 人を惹き寄せる品揃え
住宅が並ぶ中、外から見て店と分かってほしいと、障子を取っ払い大きなガラス戸に。展示アイテムとして着目したのが人目を惹くペンダントライト。「ただの照明でなく空間をつくってくれて人を惹き寄せる力のある、いわば営業マン」とオーナーの辻さんは語ります。民芸ガラスで、インテリアの一つとして若い世代を中心に新築・リニューアルなどに今大好評。2階にも飾られたこのライトが 夜桜見物の人の目に留まり向こう岸を歩く人も引き寄せられるように集まってくる、そんな効果があるようです。
ワクワクをもらえる全国の作家たちの作品を集めています。たとえば琵琶湖の水草を灰にしてガラスの中に溶け込ませた「琵琶湖彩」の優しく美しい手吹きガラス、琵琶湖の形をしたアクセサリーやびわ湖真珠などが人気です。それがいまここにあるのがふさわしいと思わせる物語り、背景を持つ作品たちです。
愉しむ暮らしの道具店 子どもたちには「不思議なお店」
買い物できる違和感だらけの空間、来る人が「楽しめて」店のスタッフ達も「愉しむ」ことを優先してる、そんなどこか変な店を目指したい。隠してはいないが「えっ!ここ」といってもらう感覚がすきだという。小学生のお嬢さんがお母さんのプレゼントを買いにきたり、高校生の男の子が自分のお茶碗を買う。不思議なお店と思って、おそるおそる入ってみたのだそう。子どもたちが手作りの素敵さに触れて感動を生み、地域に愉しさが広がる、名前の通り「生活に根ざす創作の場に興味をもつキッカケ」となる予感がします。
File_019 /KIKKAKEKKA(キッカケッコ)
愉しむ暮らしの道具店、琵琶湖疏水畔に、うつわ・照明・傘・花器・アクセサリーなど、作家やデザイナーの作品を中心とした作品を取り扱っております。
- 定休日:火曜日・水曜日
- 営業時間:12:00〜17:00
- 住所:〒520-0033 滋賀県大津市大門通4-3
- 電話:077-509-1784
- URL:https://kikkakekko.shop