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活用事例

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File_017 /うつわ 酒 にのご

2023.08.09

隠れるように 目につくように ひっそりと 築90年の町家

電線の地中化で昔の風情がよみがえった江戸・明治の名残が漂う旧東海道(京町通)。札の辻から東(至:江戸)へと歩み、左手を見やると奥に両側に砂利のひかれた豆砂利洗い出し仕上げのロージ。ここは袋小路、同時期に建てられた数軒が並び道際に季節の花の香りが漂います。正面に、ひっそりと建つ木造2階建て、切妻造平入、桟瓦葺きの昭和レトロな2戸1長屋の東側のお宅。風にふかれて「無地の半のれん」がふわりとはためきます。

暖簾の奥の引き違い戸を開けると目の前に桟がレトロモダンな形状のガラス戸。玄関の土間から靴を脱いで上がる時、バリヤフリーに目慣れた現代の人には、式台がない高さが、かえって新鮮に映ります。

建物の特徴を生かし切る

店主のMさんが、京町家をリノベーションされた物件を探していた際、不動産業者からの紹介により大津のこの町家を見た瞬間!物件の佇まいに魅了され、平成22年(2010年)購入し、取得しました。土間を戻すなど築約90年の趣を大切にしながら改装を行いました。2022年6月、町家ギャラリー「うつわ 酒 にのご」を開店。1階平面は向かって左1列3室でギャラリースペース、右は通り庭であった土間の段差を活かして厨房に。一枚板でしつらえられたカウンターを設置して飲食スペースに。2階もギャラリーで、内部には吊り床、床の間、丸い下地窓、桐の1枚板に立波の千鳥の透かし欄干など、数寄屋の要素が残ります。

手仕事と食 滋賀のよさにこだわる

作家物の器を中心に、カトラリー等手仕事作品のギャラリー・物販、その器をめでて頂くためにお酒、珈琲やお茶の提供並びに酒肴やお菓子を提供しています。センス良くテーブルセッティングされた展示方法 正面の坪庭から差し込む光を陶器の温かさが受けとめています。2階の展示室からオモテをみた風景も 昭和にタイムスリップした気分になります。

おりしも訪問した時、出会ったのは「また来ちゃいました」という二人連れの女性客。親し気に、しかし適度な距離感を置いてもてなす長身の店主のゆったりした口調に心地よい時間が流れます。陶器は信楽焼、飲み物は滋賀県の日本酒をメインにして、つまみには滋賀県産の野菜や湖魚などを用いるなど滋賀の素材をと心掛けています。

店主は「日本古来の佇まいと、現代が有機的に結び付いた空間の落ち着きを知って頂きますと幸甚です。今後も手仕事による作家の商品を紹介していきます」と語ります。

File_017 / うつわ 酒 にのご

作家物の器を中心に、カトラリー等手仕事作品のギャラリー・物販、その器をめでて頂くためにお酒、珈琲やお茶の提供並びに酒肴やお菓子を提供しています。

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