-おしゃれ着物の聖地 昭和初期の和モダンな洋館-
丸屋町商店街の入り口手前に佇む「kimono tento(キモノテント)」(中央1丁目2―38)は、アンティーク&ユーズドの着物と帯を中心に扱うセレクトショップ。おしゃれ着物好きな人たちの間では「聖地」とも呼ばれています。
以前は唐崎に店を構えていましたが、オーナーの泉さん夫婦が築90年の空き町家を改修して、2017年秋にリニューアルオープンしました。
改修のイメージは「昭和初期の和モダンな洋館」。日本家屋らしい瓦屋根と、2階部分のアーチ窓の和洋折衷な取り合わせが面白く、ウロコをモチーフにしたという1階外壁のカラフルなタイルに心がときめきます。
ドアを開けると、色とりどりの着物や小物たちが目に飛び込んできました。
古材と舶来アンティーク家具の饗宴
「このあたりは商店街の雰囲気も気に入っていて、いい物件がないか前々から不動産屋に聞き回っていたんです。ちょうどぴったりの物件が出たので、すぐ移転を決めました」と陽香さん。レトロ可愛い装いと笑顔が素敵な方です。
施工は、フリーペーパーに載っていた広告を見て、アンティーク調を得意とするリノベーション専門店「リバーホーム」に依頼しました。
2017年2月から改修をスタート。担当者としっかりコミュニケーションを取り、希望を余すところなく伝えながら、少しずつ進めていきました。
床からレジの壁面にかけて、ランダムな形に広がるキュービック模様のタイルは自分たちで配置を決めたのだそう。「南フランス製のものです。偶然だけど、琵琶湖の形に見えるでしょう」と陽香さん。言われてみれば、本当だ!他にも店内には色々なエピソードがあり、聞いているだけで楽しくなります。
店内を見回すと、町家の柱や梁の古びた色合いと、木製ドアやシャンデリアなど外国製のアンティーク家具とがしっくりなじんでいい感じ。これらの家具は、夫婦が全国あちこちの骨董市やショップに出向いて取り揃えたのだそう。
まるで2人のこだわりをちりばめた宝石箱のよう。お店全体が彼らの「好き」が詰まった一つの作品とも言えます。お店づくりにかけるその情熱と抜群のセンスには脱帽です。
地域と外との架け橋として
町家の持ち主ははじめ、あまり大規模に改修してほしくないという意向だったそうですが、味わいのある縁側や欄間などの面影を大切にしながら生まれ変わった町家を見て、とても喜んでくれたのだそう。
地域の人からも「使わない着物を買い取ってくれるので助かる」と喜ばれるそうです。現代に蘇った町家で、若い世代が「可愛い」「おしゃれ」を合言葉に、古いものと新しいもの、地域と外の人とを繋ぐ橋渡し役となる。
「店を任せられるスタッフも増やし、着付けやヘアアレンジなどのワークショップ、イベントなどもやっていきたいです。着物は着ないけど建物に興味があるという方も是非、探訪に来てほしいです。現在は月に数回のみの不定期営業なので、お店のブログやホームページで営業日を確認して来店ください」と陽香さん。
File_008 / キモノテント
アンティーク&ユーズドの着物と帯を中心に時代を問わず心惹かれるものばかりを集めたキモノのセレクトショップ。
- 定休日:不定休
- 営業時間:12:00〜18:00(6〜8月は19:00まで)
- 住所:〒520-0043 滋賀県大津市中央1丁目2―38
- 電話番号:077-532-2190
- URL:https://www.kimonoyatento.com