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活用事例

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File_010 / ながらの座・座

2023.02.12

-三井寺の庫裡の一つ「元・正蔵坊」と古庭園を感じることができる場所-

ながらの座・座(ざ・ざ)は、三井寺の庫裡の一つだった「元・正蔵坊」と古庭園を活用したイベントスペース。

2011年9月にオープンして以来、クラシック音楽のコンサートや実験的アート・パフォーマンスなど、さまざまなプログラムを上演しています。
活動は、趣旨に賛同する方々による任意団体「元・正蔵坊と古庭園を楽しみ守る会(代表 橋本敏子さん)」によって運営されています。

元・正蔵坊は、築370年以上経つ非常に貴重なもので、国の登録有形文化財です。戦前より橋本さん一家が代々住まいながら維持管理してこられました。
イベント時は、建設時のまま保存されてきた「一の間」(書院)と、近年原型復元した「二の間」の間の襖を開いて繋げ、パフォーマンススペースとして活用します。

歴史・自然・住まいが一体となった空間で

橋本さんは都市空間のアートプロジェクトのプロデューサーとして長いキャリアのある方で、東北大地震をきっかけに「文化財を活かすことで守る」必要性を痛感し「ながらの座・座」を始められたのだそうです。

元・正蔵坊と庭園は、歴史的な遺産であるとともに、橋本さんにとっては日常生活を営むなじみのある空間でもあります。

「単なる文化遺産というだけではなく、その中で人が生活し、建物と対話してきたということに価値があります。歴史・自然・住まいが一体となった、この空間で過ごしてこそ感じられる良さを味わってほしいと思い、今日的な形で生かすことにしました」と設立の趣旨を話して下さいました。

2018年11月に滋賀県の名勝に指定されたというお庭も拝見しました。切橋や枯滝、洞窟や浮島を配置し「あの世」と「この世」を表現しているという、大変珍しい庭園だそうで、イベント時は演者がその中を自由に歩き回りながら表現することもあります。

2018年は、多様なジャンルで活躍するアーティストたちがトークやコンサートを合宿形式で行う「徹夜の音楽会」や、ベートーベンの弦楽四重奏曲を6年がかりで演奏してきた「カルテットチクルス」などが注目を集めました。2019年からは、これまでクラシック音楽中心で行っていたプログラムを大幅に模様替え。さらに2023年のプログラムは大幅変更の見通し。
「文化財に今日的な価値を見出す活動を通して、文化を生きた資源としてこれからも多くの方々に楽しんでいただける場にしたい」と橋本さん。

File_010 / ながらの座・座

文化財に今日的な価値を見出す活動を通して、文化を生きた資源としてこれからも多くの方々に楽しんでいただける場

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